ファクタリングとは?種類や手数料の相場、利用する際の注意点を解説

更新日 : 2024年11月08日
ファクタリングとは?種類や手数料の相場、利用する際の注意点を解説

「資金繰りが厳しい」「売掛金の回収が遅くて困っている」という悩みをお持ちではありませんか?ファクタリングは、企業が抱える資金繰り問題を解決する有効な手段の一つです。

本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、利用する際の注意点、手数料など、ファクタリングに関する基礎知識を解説します。初めてファクタリングを検討する方でも理解しやすい内容となっておりますので、ぜひ参考にしてください。

ファクタリングとは?

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた現金を得る資金調達手段の一つです。売掛債権とは、取引先に対して商品やサービスの代金を後から請求する権利のことです。ファクタリングを利用することで、売掛金の回収を待つことなく資金を調達できるため、企業は資金繰りを改善し、事業の安定化を図ることが期待できます。

また、ファクタリングは売掛債権の売却であり借入ではないため、銀行からの借入や融資とは異なり負債が増加しません。ですので、借入による債務増加を避けたい企業にとって魅力的な資金調達方法と言えます。

ファクタリングは大きく分けて2種類ある

ファクタリングには、大きく分けて下記2つの種類があります。

買取型ファクタリング

ファクタリング会社が売掛債権を買い取るタイプのファクタリングです。最大のメリットは、資金調達スピードが速い点です。ファクタリング会社が売掛債権を買い取るため、売掛債権の回収を待つ必要がなく、迅速に資金調達できます。しかし、売掛債権の買取代金は、債権額よりも低くなるため、割引が発生します。割引率は、債権の金額、支払期日、債務者の信用力などによって異なります。そのため、買取型ファクタリングを利用する際には、事前に割引率がどれくらいになるのか、しっかりと確認することが重要です。割引率が高い場合は、資金調達コストが高くなるため、他の資金調達方法と比較検討する必要があります。

<買取型ファクタリングを利用する際の注意点>

買取型ファクタリングを利用する場合は、取引先との契約書において、債権譲渡に関する条項を確認することが重要です。特に、「債権譲渡禁止」の記載がないか、注意深く確認する必要があります。ファクタリング会社への支払いは、原則として全額一括送金となります。個別案件によっては、分割払いも可能ですが、事前にファクタリング会社と詳細な条件を詰める必要があります。

また、債権回収が滞っている不良債権は、ファクタリングの対象外となる場合が多いです。ファクタリングの利用を検討する際には、債権の状況や契約内容などを総合的に判断し、ファクタリング会社に相談することが大切です。

保証型ファクタリング

ファクタリング会社が売掛債権の回収を保証するタイプのファクタリングです。買取型ファクタリングと比べて、資金調達スピードが遅くなる場合があります。これは、ファクタリング会社が債務者の信用力を調査する必要があるためです。また、保証型ファクタリングでは手数料が発生します。手数料は、売掛債権の金額や保証期間によって異なります。債務者が支払いを滞納した場合、ファクタリング会社が債権回収を行うため、債権回収の費用がかかる可能性があります。ただし、債務者の信用力に不安がある場合や、資金調達スピードよりも安全性重視の場合には、保証型ファクタリングが適している場合があります。

<保証型ファクタリングを利用する際の注意点>

保証型のファクタリングは、売掛金の回収が困難な場合に保証金を受け取れるというメリットがある一方で、現金化までに時間がかかるという側面も持ち合わせています。保証型では、ファクタリング会社が売掛金の回収不能を判断した場合にのみ保証金が支払われます。そのため、資金が必要なタイミングで迅速に現金化したい場合は、保証型よりも別のファクタリングサービスを検討する必要があるでしょう。

例えば、支払い遅延による損失を補償するサービスなども存在しますので、自身のニーズに合わせて最適なサービスを選定することが重要です。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い

ファクタリングの取引形態には、取引先にファクタリングの利用を知らせる「3社間ファクタリング」と、取引先に知らせない「2社間ファクタリング」の2つの種類があります。

2社間ファクタリングとは

2社間ファクタリングは、ファクタリング会社と売掛金の債権者(利用者)の2者間で行われるファクタリングです。取引先にファクタリングの利用が知られないため、取引先との関係悪化や信頼関係の崩壊を懸念する必要がありません。また、3社間ファクタリングと比べて手続きが簡素化されているため、迅速な資金調達が可能となります。

2社間ファクタリングの手順は以下のとおりです。

1.債権者が取引先に請求書を発行する。(売掛金の発生)

2.債権者がファクタリング会社に売掛金買取の申込みを行う。

3.ファクタリング会社が債権者の信用状況や売掛金の状況などを審査し、買取条件を提示する。

4.債権者が買取条件に合意した場合、ファクタリング会社と契約を締結し、売掛債権を売却。ファクタリング会社は手数料を差し引いた代金を債権者に支払う。

5.取引先から売掛金が支払われたら、ファクタリング会社に速やかに支払われる。

2社間ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社によって異なりますが、3社間ファクタリングと比べて高くなる傾向があります。

3社間ファクタリングとは?

3社間ファクタリングは、ファクタリングを利用する企業、ファクタリング会社、取引先の3者間で契約を締結するファクタリング方式です。この方式では、以下の手順で売掛金の現金化が実現します。

1.企業が取引先に商品やサービスの対価として請求書を発行

2.企業はファクタリング会社に売掛金の買取を申し込む。

3.ファクタリング会社は企業に対して売掛金の買取条件を提示。

4.企業は取引先にファクタリングを行う旨を伝え、売掛債権の売却に関する承諾を得る。

5.3者間で契約を締結した後、企業は売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた代金を受け取る。

6.取引先はファクタリング会社に対して直接売掛金を支払う。

3社間ファクタリングの大きな特徴は、取引先の承諾を得て契約を行うことで、取引先から直接ファクタリング会社に支払いが行われる点にあります。この仕組みにより、ファクタリング会社は支払いの回収リスクを軽減できるため、手数料が低く設定される傾向にあります。

一方で、3社間ファクタリングには、取引先にファクタリングの利用が知られてしまうというデメリットも存在します。また、契約に複数企業が関わるため、合意までに時間がかかる場合があり、現金化に時間がかかってしまう可能性も考えられます。

ファクタリングの手数料相場

ファクタリングの手数料率はサービスによって異なり、一般的には2社間ファクタリングで8~18%、3社間ファクタリングで2~9%程度が相場とされています。

ただし、企業の信用度や利用金額によって手数料は変動し、審査によって最終的な手数料が決定します。手数料が高額になってしまう場合、受け取り金額が減少し、資金調達の効果が薄れてしまう可能性があります。そのため、複数のファクタリング会社から見積もりを依頼し、比較検討してからサービスを利用する会社を決めることが重要です。

また、売掛債権を現金化できるファクタリングサービスは、迅速な資金調達手段として注目されていますが、すぐに現金化できるわけではありません。書類の提出や審査、手続きに時間がかかるため、資金調達を計画する際は、入金時期を事前に確認することが重要です。 近年ではオンライン完結型のサービスが増加しており、従来の対面による面談や契約を必要とするサービスに比べて、迅速な対応が期待できます。

まとめ

資金繰りの安定化に課題を感じている企業にとって、ファクタリングは有効な手段です。売掛債権を売却することで、迅速な資金調達を実現し、事業の拡大や安定的な経営を促進できます。ファクタリングには、買取型と保証型など、さまざまな種類があり、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自社にとって最適な方法を選択することが重要です。

よくあるご質問

ファクタリング申込に必要な書類はなんですか?

ファクタリングサービスを利用する際には、サービスによって必要な書類が異なりますが、一般的な書類として以下のようなものが挙げられます。

・登記簿謄本(法人の場合)

・身分証明書

・印鑑証明書

・決算書や確定申告書

・入金確認可能な通帳

・請求書など売掛債権の存在を証明できる書類

・取引先との基本契約書

すべてのサービスで上記の書類が必要となるわけではありません。サービスによっては、これらの書類に加えて、追加で必要な書類がある場合もあります。ファクタリングサービスを利用する際は、必要な書類を漏れなく提出できるように、事前に確認を行い、準備しておきましょう。

FUEL 編集部 TAKAHASHI

ターゲットメディア株式会社(2018年入社)運用ディレクター。
広告・マーケティング業界に特化したBtoBメディアの運用責任者を経て
育児のため一時休職。現在は、中小企業向けの情報サイト「FUEL」の運用に従事。