個人事業主がビジネスローンを活用するには

更新日 : 2024年11月08日
個人事業主がビジネスローンを活用するには

「資金繰りが厳しい・・・」「事業拡大のための資金が必要だけど、銀行融資はハードルが高い・・・」と感じている個人事業主の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、個人事業主向けのビジネスローンの特徴、選び方のポイントをわかりやすくまとめてみました。 銀行融資やファクタリングとの違い、借り入れの流れ、注意点もご紹介しています。ビジネスローンを検討される際の参考としてご覧ください。

そもそもビジネスローンとは?

ビジネスローンとは、事業の拡大や運転資金の調達など、事業活動における資金調達を目的とした融資のことです。一般的な消費者金融のローンとは異なり、事業の特性に合わせた融資を提供しています。

法人や個人事業主向けの資金調達手段として、ビジネスローンは広く利用されています。中小企業やフリーランスの方々も、この融資の恩恵を受けることができます。

関連記事 :ビジネスローンとは?|メリット・デメリット、カードローンとの違いも解説

ビジネスローンの特徴

ビジネスローンの特徴は、消費者金融のローンと比べて、融資額が大きくなりがちな点、返済期間が長く設定できる点、そして金利が低い傾向にある点が挙げられます。

一方で、事業の健全性を確認するため、融資を受ける際には、事業計画書や財務諸表などの書類の提出に加え、担保や保証人を求められる場合もあります。

ビジネスローンは用途を限定せずに借り入れが可能

事業の資金調達を目的とするビジネスローンは、開業資金、設備投資資金、取引先への支払い資金、運転資金など、事業に必要な資金であれば、用途を限定せずに借り入れが可能です。

例えば、次のような場面でビジネスローンは役立ちます。

  • 事業開始に必要な資金を調達したい
  • 事業に必要なツールや機械を購入するための資金を調達したい
  • 資金不足で、従業員への給与支払いが滞っている場合、支払いのための資金を調達したい
  • 仕入れの支払いに充てる資金が不足している場合、資金を借りたい

 

ビジネスローンは、商品によって融資の上限額が500万円から10億円までと幅広く、借入の目的に合わせて最適な商品を選ぶ必要があります。金利や返済期間、審査の難易度、申し込み条件なども商品によって異なるため、事前にしっかりと理解した上で申し込むようにしましょう。

ビジネスローンと融資の違い

ビジネスローンは、申込から融資実行までのスピードが速く、迅速な資金調達を可能とするため、時間的な制約がある場合に特に役立ちます。一方で、金利が他の融資と比べて高めに設定されている点に注意が必要です。資金繰りの状況やタイミングを考慮し、適切な利用を心がける必要があります。

ビジネスローン以外の選択肢として、公的融資やプロパー融資が挙げられます。公的融資とは、日本政策金融公庫などが提供する融資で、担保や保証人を必要としない制度もあり、低金利で借り入れが可能です。ただし、審査に時間がかかる場合があるため、余裕を持って計画を進める必要があります。

プロパー融資とは、銀行などの金融機関が独自の審査基準で融資を行うもので、利用目的や信用度によって担保や保証人の有無が異なります。金利は公的融資に次いで低く、融資額に上限がない場合も多いですが、審査が厳しくなる傾向があります。

ビジネスローン・提供元:金融機関、信販会社、事業者金融など
・担保・保証人:原則不要 ・融資までの時間:即日〜2週間程度
・借入上限:10億円程度 ・金利:約2〜20%
公的融資(事業者向け)・提供元:日本政策金融公庫
・担保・保証人:なしで利用できる制度もあり ・融資までの時間:数週間〜2カ月程度
・借入上限:7,200万円(一般貸付の場合) ・金利:〜2%程度
・固定金利(返済期間などによる)
プロパー融資
(保証協会の保証を利用せず、
金融機関が100%審査する融資)
・提供元:銀行など金融機関
・担保・保証人:利用目的・信用度により異なる
・融資までの時間:数週間程度
・借入上限:限度額なし ・金利:〜2%程度

個人事業主向けビジネスローンの選び方

個人事業主向けのビジネスローンは、法人格を持たない個人事業主が資金調達を行うための融資商品です。会社設立している企業向けのビジネスローンとは、審査基準や融資条件が異なる点があります。個人事業主は、法人格を持たないため、事業の安定性や収益性を判断するために、より多くの情報開示が求められます。

また、個人事業主の場合、事業主と個人が同一であるため、個人の信用情報も審査の対象となります。そのため、会社の業績だけでなく、個人の収入や債務状況なども審査の対象となる点は、会社設立企業との大きな違いです。

さらに、個人事業主は、会社設立企業に比べて、資金調達の手段が限られている場合があり、融資額が少額に設定されているケースも少なくありません。そのため、個人事業主向けのビジネスローンを利用する際には、これらの点を十分に理解しておく必要があります。

個人事業主向けのビジネスローンを利用する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 融資を受けるための条件や審査基準をしっかりと確認しましょう。
    事業計画書や収支計画書を詳細に作成し、過去の収入や債務状況などの信用情報も確認しておきましょう。
  • 複数の金融機関から比較検討し、金利、返済期間、手数料などを比較して、自分に合ったローンを選びましょう。

 

個人事業主向けのビジネスローンを選ぶ際には、融資額、金利、返済期間、審査基準、手数料などの要素を比較検討することが重要です。

ビジネスローンの種類

個人事業主向けのビジネスローンは、提供元によって大きく2種類に分けられます。

  • 銀行系(メガバンク、ネット銀行、地方銀行など)のビジネスローン
  • ノンバンク系(信販会社、事業者金融など)のビジネスローン

 

個人事業主が利用できるビジネスローンは、金融機関によって金利が異なります。一般的に、銀行系金融機関の金利は年率2%から14%程度、ノンバンク系の場合は年率3%から18%程度とされています。銀行系金融機関は金利が低い一方で、審査が厳しく、融資を受けるのが難しい場合があります。一方、ノンバンク系金融機関は、銀行系に比べて審査が緩い傾向があり、融資を受けやすいと言われています。

審査に落ちる理由と対策

個人事業主がビジネスローンを利用しようとした際に、審査に通らなければなりません。ビジネスローンの審査基準は公開されていませんが、いくつかのポイントに注意することで、審査に通る可能性を高めることができます。

  • 申し込み条件との不一致……対象年齢、事業の開始時期などが、各金融機関の定める条件を満たしているか
    確認しましょう。
  • 書類の不備……提出書類に不足分や記入漏れがないか確認し、提出期限を守りましょう。
  • 虚偽申告……申告する情報に事実関係の間違いがないか確認しましょう。
  • 返済能力の低さ……借入金額は、事業計画に基づき、無理のない金額に抑えましょう。
    事業計画書を提出することで、返済能力を示すことができます。
  • 赤字決算……財務状況を改善する計画を立て、資金繰りを見直しましょう。
    赤字でも借入可能なローン商品もありますので、金融機関に相談してみましょう。

 

複数の金融機関からビジネスローンを利用している場合は、借入金の整理もしておきましょう。

まとめ

個人事業主にとって、ビジネスローンの利用は事業拡大や資金調達の重要な選択肢となります。ビジネスローンを利用する際は、各商品の条件をよく理解し、自社の状況に最適な商品を選ぶことが重要です。

※お客様のサービス選択時の参考情報提供を目的としており、特定の金融機関、ローン商品の優劣を示したものではありません。

よくあるご質問

ビジネスローンを利用する際に準備するものはありますか?

ビジネスローンを利用する際には、返済計画をしっかり立てること、事業計画書をしっかりと作成すること、複数の金融機関から比較検討することが重要です。融資を受ける際には、事業計画書をしっかりと作成し、事業計画を具体的に示す必要があります。

FUEL 編集部 TAKAHASHI

ターゲットメディア株式会社(2018年入社)運用ディレクター。
広告・マーケティング業界に特化したBtoBメディアの運用責任者を経て
育児のため一時休職。現在は、中小企業向けの情報サイト「FUEL」の運用に従事。